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2005年06月02日
★『近代能楽集』 (1回目・2回目)
(6/1(S)、6/2(M)観劇)
演出・・・蜷川幸雄
作・・・三島由紀夫
証明原案・・・金森馨
装置・・・中越司
証明・・・原田保
音響・・・井上正弘
衣裳・・・小峰リリー
ヘアメイク・・・武田千
振付・・・広崎うらん
技術監督・・・眞野純
舞台監督・・・明石伸一
演出助手・・・井上尊晶、石丸さち子
<<卒塔婆小町>>
老婆・・・壌晴彦
詩人・・・高橋洋
恋人たち(男)・・・清家栄一、塚本幸男、新川將人、鈴木豊、田村真
恋人たち(女)・・・岡田正、井面猛志、月川勇気、原田琢磨、坪内志郎
巡査・・・清水幹生
<<弱法師>>
俊徳・・・藤原竜也
桜間級子・・・夏木マリ
川島・・・瑳川哲郎
川島夫人・・・鷲尾真知子
高安・・・清水幹生
高安夫人・・・神保共子
今回再々演な『近代能楽集』ですが、私は初めてでしたので、初演・再演との比較という点は触れてません。
しかも三島由紀夫の作品に触れるのも全く初めてなので、素人っぽさ満開ですがご了承頂ければ幸い(^^;
それぞれの作品について簡単に感想をば~
『卒塔婆小町』
幕が開いた途端に目を見張るほど、セットが美しい!
赤い椿のアーチや木立の中に真っ白のベンチ、薄暗く光る外灯。
ぱちん、ぱちん、と音を立てて降る椿は、賛否両論のようですが私はとても好きです。
客席が真っ暗になって響き始めるその音、視覚よりも聴覚で芝居の始まりを知るのも良いのでは?
音が妨げになっているとは思いませんでした。随所で椿が止むのも意味ありげで気になります。
2日目に彩劇へ向かう途中でその場所を通って気付いたのですが、
与野本町の駅近くにバラの半アーチの下にベンチがあるというなんとも卒塔婆な場所があります、
(その近くには背の高さほどの垣根の前にベンチがいくつか並んでいる場所も)
ふと気付くとバラの花びらがひらひらと舞っているんですよね。
暫く目を止めて見ていると、その降り具合がまさに卒塔婆での椿の降り具合と同じで、
「(音はしないけど、)本当にこんな風に花は降るんだなあ」と、その演出に改めて感心してしまいました。
壌晴彦さん@小町のお芝居は大満足!びっくりしたのはそのお声でした。
腰の曲がった老婆の時はしわがれた声音で、下卑た印象さえ抱いてしまうような抑揚で
そしてスッと20歳の女性へと変化した後は艶のある声音、上品なアクセントと言葉遣いで・・・
個人的に「宮家のじゃない?」「お踊りあそばせ」(2回目)の言葉が美しくてドキドキしてしまいました。
衣装については基本的に変わらないので内面の老婆→若い女性への変化に外面が伴わず残念でしたが
老婆の時は腰を曲げてることもありただのボロボロの羽織に見えたものが、
しゃんと立ち上がることできちんとした洋装の形なのだと気付くところはおお、と思いました。
濃い赤をしたマニキュアも、"老婆の時は汚れ、20歳の女性の時はおしゃれに見える"と友人談。
高橋洋さん@詩人については、正直可もなく不可もなくという印象でした。
開演後舞台に現れてしばらく、シケモクを数える老婆を眺め佇んでいる姿はとても素敵なのですが、
お芝居は"いつもの洋さんだなぁ"で最後まで終わってしまう。
『ハムレット』からこっち、私の観てきた『タイタス』『お気に』『ロミジュリ』『幻』、そして『KITCHEN』は、
"洋さん節"に加え何かしら新しい印象が伴っていたのですが、『近代』に関してはそれがありませんでした。
マイナス眼鏡で観るつもりはありません、だんだんと本領を発揮できるようになればいいと期待しています。
『弱法師』
幕が開いたら、小町とは打って変わって、セットは裁判所の無機質な一室へと変わっていました。
左右対照に配置された大道具とキャストが、整然としすぎて少し気持ち悪いくらい。
竜也くんのお芝居に関しては、予想通りという印象。
『ハムレット』『ロミジュリ』では聞けなかった竜也くんの甘~い声音が聞けたので良いかな(笑
そう、『スチュアートリトル』のスチュアートみたいな声色・・・竜也くんって声音の域も物凄く広いですね!
とにかく、炎の情景を語るシーンでは息を飲むというより観ていて"息が詰まりそう"でした。
それにしても綺麗な体してますね!とても整っていて、体勢を変えるたび、筋肉や骨が動く様が美しかった。
それでも最後の台詞と表情は怖かったのです・・・
夏木マリさん@桜間級子さんは、この短いお芝居の中でどんどん魅力的に感じるようになりました。
声音だとか所作だとかにとても隠された色香が見え隠れしてて、とにかく色っぽい!
本当に裁判所の調停員かしら?と思ってしまうような雰囲気だけど、それがかえってハマってました。
最後の「お姉さんにするように、とおっしゃい」なんてドキドキして直視を躊躇ってしまう(笑
まるで手に負えない獣だった俊徳を、いつの間にか飲み込んでしまっていた・・・
そして養父母・実父母の両夫婦がそれぞれの立場や性分といった性質をとても仔細に醸し出していて、
特に養母と実母のおふたりが対照的に示されていたのが印象的でした。
最後の演出については、初見では思い切りビクッと体が跳ねるほど驚いてしまったし、
2回目は体を強張らせて、息を飲んで身構えていたにも関わらずゾクッとしていまいました。
シュールな美しさは文句無いと思うのですが、個人的にはやはり好きになれないお仕舞いですね・・・。
休憩を含めても2時間・・・
劇場立地やソワレのことを考えると「今回は楽だわ~」なんて思ってしまうけど、
やっぱりチケットの金額や観劇後の満足度を考慮すると多少の不満は残るところです。
なんて言いつつも、あと数回リピート予定なチヅルでした。
by tiduru@toki at : 2005年06月02日 23:33
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